2023.05.01 00:22「村ガチャ」で出会う地域観光の新たなエントランスとして観光業で成り立つ白馬村において、地域住民を主役とした「村ガチャ in Hakuba Valley」が2022年5月に誕生。500円玉を入れてガチャを回すと、真っ黒なカプセルに「村民カード」が入っている。村民の顔写真とともに「性格:天然、親しみやすい、さみしがり」といったキャラクター説明や産品・商品の引換券もついている。QRコードを読み取ると、村民の働く飲食店やヨガのインストラクター、美容師など多彩なキャラクターへの連絡先が案内され、旅人の期待感を盛り上げる。村観光のより魅力的なストーリーを提供する人材バンク的な取り組みで、新たな観光への動線となる。
2022.04.26 23:16「おてつたび」という新経験地域で働き、出会い、経験を積む観光コロナ禍も一段落しレジャー観光需要も復活しつつあるが、新しい旅のスタイルが提案されている。おてつたび社(渋谷)の展開する「おてつたび」は、日本全国の農家や宿泊施設、地域の催事など、人手不足の現場でお手伝いをする旅だ。2018年の立ち上げ以来、現在は1万6000人が登録している。受け入れ側の事業者数も47都道府県で600に上り、日帰り旅から1か月の長期まで事業者の事情に応じた日数が設定可能。もちろん報酬付きだ。参加者の半数以上は大学生など20代。それまで知らなかった(行きたいとも思わなかった)地域の産業や地元民との交流経験こそが新鮮なのだろう。
2021.06.27 23:32世界の観光名所を「仮想旅行」ANAが提供するバーチャル海外旅行コロナ禍による旅客減少を受け、ANAホールディングスは非航空分野を強化している。2022年に、仮想空間プラットフォーム「SKY WHALE」とアプリを同時リリースする予定。仮想旅行では、自らのアバターを使い、友人らとチャットなどをしながら、3Dで再現された実在する観光名所などを訪れ、マイルでの買い物ができるショッピングモールなどを楽しめる。2025年度には延べ入場者数約5900万人、累計売上高はバーチャル広告収入を含め約3000億円を見込む。ターゲット顧客の約8割を外国人と想定。コロナ禍に関係なく、有望な事業領域となるだろう。
2021.05.30 23:24ごみ分別体験ホテルゼロエミッション学習と実体験ができるホテルさまざまな“体験”を売りにする宿泊施設が増えているが、世界に類を見ないホテルが誕生した。徳島県上勝町のゼロ・ウェイストセンター「WHY(ワイ)」は、分別ごみ処理施設や啓発施設、ゼロ・ウェイストアクションホテル「HOTEL WHY」(全4部屋・最大16人)を含む公共複合施設だ。ホテルの宿泊者は、「ごみステーション」で町の取り組みの説明を受けるほか、同町が行うゴミの分別を体験できる。チェックアウトの際、滞在の際に出たゴミを45項目のルールに沿って分別するというもの。伝統文化の体験とは一線を画し、地域が取り組む社会教育と宿泊を結びつけるユニークな試みだ。
2021.03.30 04:15リアル『あつ森』で地域おこし自分の釣果を地域通貨と交換できる魚釣りやDIYでベル(お金)を稼ぐ『あつ森』の仕組みがリアルな地域活性化に活用されている。静岡県西伊豆町の「ツッテ西伊豆」は、町が運営する産地直売所「はんばた市場」に、観光客が釣った魚を持ち込むと、電子地域通貨「サンセットコイン」(1ユーヒ1円)」で買い取ってくれ、町内の飲食店や土産物店、宿泊施設や温泉施設、ガソリンスタンドなどで遣える。現在、提携釣り船4隻で釣り道具などはレンタルできる。これは、観光客・漁業関係者・地域産業いずれもがハッピーとなる「三方良し」の取り組み。とってつけたような“体験”ではない、ガチなリアルさが魅力だ。
2021.03.01 00:39「沿線まるごとホテル」 by JR東日本駅と地域集落をリンクさせるマイクロつー^リズム体系JR東日本子会社が、「鉄道」という強みを活かしたマイクロツーリズム事業に乗り出した。同社は、過疎高齢化が進む青梅線沿線の活性化のため、沿線に点在する空き家をホテル客室に改修し、沿線全体をホテルに見立てる「沿線まるごとホテル」事業を本格化させる。青梅線の無人駅2駅はホテルのフロントとしての機能を果たし、近隣の3つの集落と連携しながら、住民との交流や宿泊、さまざまな体験プログラムを展開し、“沿線まるごと”を活性化しようという試みだ。かつて過疎地域を切り捨てていったJRだが、その過疎資産を逆手に取った新事業だけに興味深い。
2020.09.28 00:06「東京大塚」のマイクロツーリズム星野屋が提案する都市型観光は“下町銭湯”地域の魅力を再発掘しようというマイクルツーリズムを提唱する星野屋が、都市観光ホテル「星野リゾート OMO5東京大塚」をオープンした。戦前までは都内有数の三業地(料理屋・待合茶屋・置屋)であった「豊島区大塚」のレトロチックでノスタルジックな街並みが舞台だ。その中核資源である大正時代創業の老舗銭湯「大塚記念湯」を活用、期間限定の『下町大塚のんびり銭湯プラン』が好評。銭湯での入浴体験を軸に、大塚の街全体を温泉街に見立て、スポットや食をコンテンツ化した。地方都市や田舎ばかりをイメージしがちな地域観光だが、大都市エリアでも魅力ある切り口はあるはず。
2020.06.28 23:48「マイクロ・ツーリズム」星野リゾートが提案するwithコロナ時代の地域観光2020年中に運営数が全国45施設に拡大する星野リゾートが今後の観光コンセプトを提案した。これまで遠方や海外をイメージすることが多かった「旅」を、地域・地元に目を向けて楽しむ「マイクロツーリズム」を推進しようとするもの。施設を訪れたり、宿泊したりといった体験を通じ、地元を深く知るきっかけを提供する、また、感染対策と地域経済を両立するといった旅・観光のあり方を創造する方向だ。もともと、星野リゾート運営の施設では、地域の遺伝子を最大限に尊重するスキームとなっていたが、コロナ禍による旅ニーズの激変を受け、さらに国内観光・地域志向を先鋭化させたといえる。
2020.02.24 01:19「LGBTツーリズム」高所得で消費意欲も高い新インバウンド需要世界旅行ツーリズム協議会によると、LGBT需要は世界の旅行客の10%超、総旅行支出の約16%を占め、年間支出額は1950億ドルに上る。高所得者が多く、消費意欲が高いLGBTの人々と旅行との相性は非常に良いという。日本でも、ここ数年、LGBTへの関心・理解が高まっており、関連イベントがニュースになったり、テレビタレントが活躍していたりと、LGBTへの親近感が増している感がある。2020年以降のインバウンド市場の有力なフックとして、また、変動しがちな近隣諸国客を補うものとして、LGBT需要のポテンシャルは高い。
2019.06.29 00:41若年世代による日韓新時代両国交流人口は過去最大に日韓関係は最悪の状況が続いているが、草の根レベルでは過去最高となるお互いの訪問客数となった。2019年3月、日本から韓国を訪れた人が約37万5000人と、1965年の国交正常化以来、最高となった。逆に、2018年の訪日韓国人客も過去最多の約750万人に達した。日本では、SNS経由で韓国のファッションや美容、食に関心を持つ10-20代女性が増え、韓国でも数年前から日本旅行ブームが続いており、温泉や自然を求めて各地の地方空港への直行便も人気とか。政治の思惑や不幸な歴史を超えて、新しい世代によるダイレクトな交流が隣国との友好を深めていく。
2019.03.28 09:13苦あれば楽あり ‘’リボーン・タウン“の起死回生バブル経済の影響で栄枯盛衰を経験した街や施設、企業は数多い。新しい時代の追い風をうまく捉え、見事に復活した熱海や湯沢町も、空いていることを逆手にアピールする志摩スペイン村も、発想・視点の大きな転換点があったはずだ。■熱海復活のカギは個人客対応 バブル期を挟んだ栄枯盛衰の代表格が熱海だ。バブル崩壊以降、衰退の一途をたどってきた熱海が、近年、街並みやホテルの再開発などによって見事復活を遂げつつある。バブル期の1991年約440万人だった市内宿泊者数は、2011年には約246万人と半減したが、2017年には307万人と緩やかに回復している。往時の団体客仕様から個人旅行者対応をハード/ソフト両面で行ってきたのが功奏、インバウンド客や中高年層はもちろん、特に若者...
2019.02.25 02:31「コンバージョンホテル」低コストなリノベでカジュアルな宿泊需要をキャッチ2020年、訪日外国人客数が4000万人に達すると見られ、都心のみならず全国主要都市の宿泊キャパ確保が大きな課題となっている。そんな中、「コンバージョンホテル」と呼ばれる新しいスタイルの宿泊施設が注目されている。空きビルや中古オフィスを用途変更しリノベーションした低コストの宿泊施設が全国に続々開業している。オフィスビルだけでなく、学生寮や商店街の商店などにも広がり、数室〜10数室といった小規模ホテルも珍しくない。いわゆるホステルのような清潔でおしゃれ、コンパクトな客室のほか、サウナ付き大浴場や交流スペースを設ける例も多く、全国に拡大していくに違いない。