合理思考で未来を切り開くイーロン・マスク氏。大胆な発想と高度テクノロジー進化で、数年後の火星有人飛行も夢物語ではなくなってきた。再び宇宙ビジネスに光が差す現在、日本でも気炎を上げるH氏に期待しても良い?
■衛星打ち上げの圧倒的なコストダウン
考えてみれば、人類初の月着陸から50年だ。アポロ計画も終了し、宇宙開発は停滞が続いていた。しかし、2002年創業の「スペースX」社が、宇宙ビジネスに革命を起こしつつある。まずは、打ち上げ費用の大幅ダウン。これまでNASAでは1回2億ドルを要していたが、これを6000万ドルまで削減した。さらに、技術開発スピードの迅速化や3Dプリンターなど最新技術の導入、操作タッチパネルの液晶化などを進めた。圧巻は、第一段ロケットのリサイクルだ。ブースターとエンジンは切り離された後、自力で姿勢制御しつつ逆噴射で地上に戻る仕組みだ。
■100万人の火星移住計画
イーロン・マスク氏率いるスペースX社は、衛星打ち上げ頻度と能力を飛躍的に向上させたばかりか大胆な宇宙開発計画をも目論む。2024年に火星への有人飛行を計画、使用に適した水源の探索や帰還するための推進剤工場を建設するこという。さらに、2060年代までに100万人を火星に移住させる計画も発表している。そのための巨大宇宙船の建造計画もすでに進められているという。
■拡大する宇宙ビジネス市場
宇宙ビジネスの世界市場規模は、2010年に約27兆円、2017年に約38兆円となり、2030年代には約70兆円以上に達するとみられている。日本でも、チャンレンジャブルな実業家が名乗りを上げているが、多額の費用を要するだけにリスクも巨大だ。しかし、宇宙開発の副産物は、人類の夢実現にとどまらず、技術的にも産業的にも多大な字果実を期待できるだけに、官民一体となった取り組みが必要だ。
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