リモートや外出自粛など、人間はヒマになると不安や疑問を抱え込み、知性や教養に手を出す傾向があるのかもしれない。寝る間を惜しんで読書する、というわけではなく、お手軽に「広く・浅く」な教養主義がさらに蔓延しそうだ。
■オンラインで気軽に教養ゲット
コロナ禍での在宅時間増・外出自粛が追い風となったのか、10分程度の短時間で幅広い教養を身に付けようというオンラインサービスが人気だ。「テンミニッツTV」は、政治・経済・ビジネスから歴史・哲学・文化まで、東大教授ら200名以上が講師として出演するオンライン教養講座(月額定額)。また、受験対策で知られるスタデクサプリでも、藤原和博先生による『よのなか科』が大学生・社会人にも好評とか。経済編、学校編、社会編など51本のビデオ授業があり、「ハンバーガー店をどこに出店するか」「英語を公用語にすべきか」など、ひとつの正解のない問いかけに取り組めるのが魅力だという。
■教養のエッセンスだけいただきます
また、歴史・哲学・心理学・芸術などさまざまなテーマの書籍の要約サービスも拡大しており、大手要約サービスでは会員が75万人を超えたという。ビジネス書や教養書などの内容が数千字に要約され、スマホやPC上で10分程度で読める。ユーザーが興味のある書籍を選択できたり、定期的に数冊の要約を配信されたりとサービススタイルなどさまざまだ。
■おじさん向け実学書も話題
より実学的な教養を学べる方法もある。『おっさんず六法』(飛鳥新社)は、団塊ジュニアや就職氷河期世代など40-50代の男性たちが、リストラやハラスメントなどのトラブルに巻き込まれた際に法律で身を守ってもらうのがねらいとか。先行き不透明な時代がからこそ、“なんとか正解にたどり着ける手掛かりが欲しい”という人々の切実さが、ハードルの低い教養の獲得を加速させている。
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