清貧の時代の再来か ‘’雑草を愛でる“風流をたしなむ

そのあたりの道端に生えている雑草やコケの類を愛好する者が増えている。派手な美しさはないが、可憐で健気に、あるいはたくましく生きる姿に自身を重ね合わせるコロナ時代ならではの趣味生活か。清貧の時代の再来をうかがわせる。

■「雑草」を育てる

 在宅時間が伸び、家具や家電、ゲームなどが好調など“おうち快適志向”が高まってきている中、道端に生えている雑草の栽培セットが売れている。ある生花店が販売する「雑草栽培セット」は、2021年2月末の発売以来、4400個の在庫が底をついた。 また、ガラス容器の中にコケを敷き、自然の風景を再現する「苔テラリウム」も大人気だという。

■高値取引が常態化する「雑草バブル」

 一方、ネットオークションでは、希少植物・観葉植物の価格が高騰する「雑草バブル」が起こっている。ヤフオクでは、観葉植物を中心とした高額取引事例が増加、10万円を超える取引がここ半年で数百件にも上っており、数十万円での取引も珍しくないという。

■アクセサリーや和ハーブにも雑草

 さらに、雑草のパワーは意外な分野でも注目されている。雑草アクセサリーや雑草ハーブが人気を博している。華やかになりすぎず、自分らしく身につけられるピアスやネックレスは雑草をかたどったゴールド。また、日本人が衣食住や年中行事に取り入れてきた植物(シソ、ミツバ、サンショウ、ワサビなど)を「和ハーブ」として食卓に載せる提案も注目されている。雑草の健気でひたすらなエネルギーを、困難な時代を生きる“元気”として取り入れようとする動きだ。

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