非接触型で新チャネル化をねらう “おもてなし自販機“の企み

日本は世界一の自販機大黒だ。そもそもは、自販機がしゃべってお礼を述べるというおもてなし表現から始まった進化なのだから、IoT技術を駆使して、さらなる利便性と意外性を発揮して、アニメに続くクールな日本を“自動販売”してほしい。

■数兆円に上る自販機市場

 グローバルインフォメーション社の調べによると、自動販売機の世界市場規模は、2019年に182億8,000万米ドル(約2.4兆円)で、2027年には252億5,000万米ドル(約3.3兆円)に達すると予想する。国内においても、設置台数は漸減気味ながらも400万台超をキープしており、その売り上げも兆円規模に上るという。

■多くのメリットで新チャネル形成へ

 最近でも自販機をめぐる話題は尽きない。取り扱い商材は多種多様、農産物や冷凍食品、ラーメンを作る自販機や一般用医薬品(OTC)を販売する自販機まで登場している。一方で、昭和を思い出させるレトロ自販機も話題だ。コロナ禍で生まれた非接触ニーズへの対応という点が大きいが、低コスト・人件費不要、24時間偉業、高い視認性などのメリットがあり、新たな販売チャネルとしての期待は大きい。

■無限に拡がる自販機マーケティング

 IoT機能を搭載した自販機も急増中だ。非接触、キャッシュレスでスマホアプリ完結型(購入・決済・受け取り)のコーヒー自販機や、商品パッケージのQRコードを読み取り後払いできるサラダ自販機もある。 また、レンタル契約をして自由に売りたいもを売るといったパーソナル販路を提供する「自由販売機」も登場。新商品のサンプリングにも活用できるという。たかが自販機だが、デジタルのワザとおもてなしの心を融合させる柔軟な発想で、さらなる活用の可能性も拡がっていくに違いない。

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編集工房《Office K》が提供する、Marketing/Mind/Movementのイマとコレカラを読み解くトレンド・クリップ。時代・社会、市場・商品、暮らしや生活意識の大小潮流をご紹介。