掟破り?画期的? “小売りDX(デラックス)“時代

小売りDxが加速し、「オムニチャネル」や「ポチっと買い」が当たり前となりつつある一方で、リアル店舗のアプデも含めた多彩な規模拡大(デラックス化)の取り組みも展開されている。“モノを売る”スタイルはますます多様化していくだろう。

■「ビッグコンビニ」構想

 セブン&アイ・ホールディングスの中期経営計画で、「新コンセプト店舗」の展開が打ち出された。「SIPストア」(S:セブン-イレブン、I:イトーヨーカ堂、P:パートナーシップの略)は、コンビニとスーパーを組み合わせた大型店舗だ。通常のセブンが約2500品目・40坪に対して、SIPストアは5000品目以上・100~150坪となる。生鮮品や冷凍食品カテを拡充し、チルド商品など「セブンプレミアム」商品にも注力。不採算店の整理と併せ、店舗のスケールメリットを追求する。

■Amazon型の本格ネットショップ

 イオンの新業態「Green Beans」は、専用のWebサイトやアプリ経由で注文を受け、専用の巨大物流倉庫から顧客の玄関先へ直接配達する倉庫出荷型の「オンラインマーケット」だ。店舗出荷型のネットスーパーとは品ぞろえや商品価格面で一線を画すという。既存店舗の付帯サービス的な位置づけを離れ、本格的な巨大オンラインショップ展開をめざす。

■リセール(再販)市場の拡大

 大規模小売の取り組みの一方で、地方消費者にとってはデラックスな展開も。コストコの人気商品を仕入れ販売する業態「コストコ再販店」が拡大(コストコ自身も事業者の再販は認めている)。毎日、各地のコストコ倉庫店に大型の冷凍・冷蔵車を乗りつけ大量仕入れを行う。コバンザメ商法ではあるが、コストコ空白エリアを埋めていく巧妙な取り組みと言えよう。

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