インナーのアウター化に始まったファッションの“おきて破り”は、水着の街着化やウエディングドレスのパンツ化にも及んできた。TPOに応じたそれなりのドレスコードはもはや無意味。個性的に着こなす卓越したセンスこそが問われる時代だ。
■水着のままでもカフェに入れます
水着と街着の際くずれがさらに進行している。「リゾートウエア」のような水着が今夏の流行となりそうだ。水着の上から羽織る薄手のガウンや、一見街着のように見えるデザインなど、泳いだ後に水着のままカフェなどで過ごしても違和感を与えないのが特徴だ。また、ビキニの上の部分がキャミソールになっている「キャミキニ」の人気も上昇中。ビキニの上にはおる薄手のニットやガウンも注目を集めている。
■結婚式も卒業式も様変わり中
さらには、一定のドレスコードが支配していたはずの結婚式の新婦ファッションにも大きな変化が見られる。ウエディングドレスの最近のドレスはパンツスタイルだ。英国王室の結婚式にも影響を受けたカジュアル化(シンプルかつ動きやすい)も著しいという。また、小学生が卒業式にはかま姿で出席することが流行している。女子大生の専売特許であったが、今では、卒業生の半数以上がはかま姿の学校もあるという。レンタル代がかかることもあり、はかま禁止の通達を出す小学校もあるなど、全国で賛否両論の騒ぎとなっている。
■脱常識の自由さがファッション価値
スタイリッシュで動きやすいことが価値だった運動靴の世界でも異変が起こっている。大ぶりで底が厚く、ごつごつとしたデザインの運動靴が「アグリー(醜い)シューズ」と呼ばれ、世界中で人気になっている。かかとやつま先部分がとくに厚い靴底。ズボンのすそと比べて不釣り合いに大きくみえるといった具合だ。そもそもファッションの本質は、常識にとらわれない自由で個性的な表現であるが、そのパワーは、従来のTPOやドレスコードを飛び越えた地点に、新たなクリエイティビティを発揮しそうだ。
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