消費増税も怖くない ‘’新元号特需“でガッチリ!

あらかじめ決められた改元は歴史的にもレアなイベントだ。お小遣い据え置きや全国的な災害続きで意気消沈しがちな消費心理も浮上するに違いない。生活者には見えにくいアベノミクスにとっても望外の底上げ効果となるかも。

■改元は最大の少子化対策?

 今上天皇が2019年4月30日に生前退位され、翌5月1日には新元号へと改元される。この機会をとらえ、さまざまなビジネスや新サービスが活気づいている。歴史的にも超レアな記念日ということで、5月1日の入籍が増加すると予測されているほか、この日が大安吉日であることもありメモリアル婚礼ブームも期待され、各式場やホテルでは特典付スペシャルプランも既に発表されている。さらに、新元号の元年中に子供を授かろうと「元年ベビー」への関心も高まっている。今回は改元日程が事前決定されているので、2018年8月からが計画出産の勝負時期だ。すでに、妊娠効果があるといわれる葉酸サプリの売れ行きが激増、妊活ヨガ教室なども盛況だという。 

■広範にわたりそうなビジネス特需

 その他にも、改元の恩恵を受ける業界もある。

 5月1日が祝日か休日となる可能性もあり、レジャー施設や観光地は、10連休スペシャル黄金週間での集客を見込む。また、カレンダーや手帳、ITなど改元による対応を迫られる業界は非常に多忙とはなるが短期的利益も上がるだろう。とりわけ、官公庁や銀行を取引相手とする印刷業界は、まさに特需。改元決定直後から、複数の印刷会社の株価が上昇した。さらに、「平成」を早くもレトロなものとして振り返る「懐古ビジネス」も既に始まっている。平成を特集する音楽CDや書籍などは今後も盛り上がはずだ。

■消費増税を吹き飛ばす経済効果を期待

 もちろん一方では、改元に伴うシステム更新リスクは無視できない課題だ。西暦と元号の併用など複雑なシステムの点検と修正が必要となる。また、2019年10月には、消費税増税と軽減税率の導入も控えている。増税が改元特需の灯を吹き消す可能性も考えられ、一連の経済動向が注目される。いずれにしても、一般生活者にとって明るい話題の少ない昨今、「改元景気」ともいえる社会の活性化契機は、新しい時代のビジネスやサービスを生み出す刺激剤となることだろう。

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