高校生の12人に1人が通う “ 通信制高校 “のポテンシャル

画一的・硬直的な高校教育に“NO!”を突き付ける高校生(と親)が全体の8%に上ることもショックだが、逆に考えると、そのような自由闊達な発想とスキルを備えた若者たちが、低迷する日本を再浮上させてくれる原動力となるのかも。

■高校生の8%が通信制

 文部科学省調べによると、通信制高校に通う生徒数は増え続け、2023年度には約26万5千人と、高校生の12人に1人にのぼる。学校数も289校(公立78校、私立211校)となり、一定時間の対面スクーリングが義務づけられているものの、単位を修得すれば全日制や定時制高校と同様に高校卒業資格を取れる。

■先行事例としての「N高/S高」

 最大手となる角川ドワンゴ学園が運営する「N高」(2016年・沖縄県うるま市)と「S高」(2021年・茨城県つくば市)は、2校合わせた生徒数が約2万8千人。目標やライフスタイルに合わせ自分らしい学習スタイルを選択できる(ネットコース、通学コース、オンライン&通学コース、個別指導コース)。

■全日制公立高でも試み

 宮城県教育委員会は、全日制公立高校「idealスクール」(仮)を、2027年度に新設すると発表した。学級を設けず、生徒自身が時間割を作り規定の単位を取れば卒業できる。また、生徒ごとに担当の教員がつくチューター制を採用。時間割の作成や進路、学校や家庭の悩みをサポートする。高等教育の入り口である高校制度の改革と多様化は、日本リボーンの契機となってくれるに違いない。

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