少子化時代にもかかわらず玩具市場が活況だ。子ども心を持ち続ける大人「キダルト(キッズ+アダルト)」が、大人サイズの戦隊ものグッズや可愛いぬいぐるみに夢中だとか。特に欲しいモノの無くなった現在、消費は過去の記憶に回帰する。
■玩具市場は1兆円超に
国内の玩具市場規模は、2023年度1兆193億円(前年度比107.1%)と、初めて1兆円を超えた(日本玩具協会調べ)。少子化が進む中でも、2019年度以降4年連続で伸びており、過去最高を記録した。この市場拡大をけん引したのが、たまごっち新機種などハイテク系トレンドトイ121.5%、ぬいぐるみ120.7%、トレーディングカード118.1%と、いずれもキダルト消費が関わっているジャンルだ。
■「大人のなりきり玩具」
バンダイ主催の「NARIKIRI WORLD 2024」では、大人向けのなりきり玩具を紹介。大人のための変身ベルト「COMPLETE SELECTION MODIFICATION」シリーズやビックサイズで商品化された「PREMIUM DX BIG WEAPONS」、全長約84cmの武器「PREMIUM DX ジカンギレード」などが目を引く。
■世界的な「ぬい活」ブーム
コロナ禍で火が付いたのが世界中でブームとなったぬいぐるみ人気だ。世界文化社は、「ぬい活」を大特集した『nui nui nui! 大人だってぬいぐるみが好き!』を発売。また、ロンドン発のおもちゃブランド、ジェリーキャッツの「アミューザブル)」シリーズはコーヒーカップや植物、さまざまな果物のぬいぐるみが特徴的で、世界中の大人を引き付けている。現在、大人消費のメインは「推し活」くらいしかなく、子ども時代のおもちゃは、いわば「記憶消費」とも呼ぶべき消費トリガーなのかもしれない。
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