コロナ禍の“功”の一つが、「あれか、これか」の一択ではない「あれもこれも」というデュアルな価値を社会全体が受け入れ始めたことだ。本業/副業、オフィス/ホーム、都市/田舎、夫/妻など、あらゆる既存価値が揺らぎ始めた2020年だった。
■副業ニーズは拡大中
コロナ禍による収入減や雇用不安、テレワークの浸透などを背景に、副業を始める人々が増えている。ワークスイッチコンサルティング社の調査では、現在副業をしている人は10.9%。今後、副業をしたいと思う人は「すぐにでも」、「いずれ」を合わせると64.3%にものぼる。特に、「すぐにでもしたい」と回答した20代は男女とも3割超となっている。
■企業側も副業容認でシゲキ導入
一方の企業サイドでも副業容認の流れが強まっているようだ。日経新聞の調べでは、副業を認める企業は3割となった。また、副業を人事施策に取り入れている企業は、みずほフィナンシャルグループやキリンホールディングス、全日本空輸、ライオンなどだ。とりわけライオンでは、社員の副業を認め「送り出す」ことと、外部からの副業者を「受入れる」ことの両方に取り組んでいる。どの企業も、副業社員の得た経験やスキル、人脈などを本業に生かしてもらうのが狙い。また、外部からの副業者による専門スキルや新鮮なアイデアを募る手段としても有効と捉えているようだ。
■「デュアル価値」が社会や生活を変える
ライフスタイル領域では二拠点居住や夫婦の家事分担など、デュアルな価値が浸透。ワー九スタイルも本業と副業が刺激しあうデュアルな形態が一般化していく。「あれか、これか」の一択ではなく、「あれもこれも」という柔軟で欲張りな価値観が受容され始めている。
0コメント