頑張っている人を見捨てない ‘’応援消費“で築く共助システム

3.11大震災で生まれた「応援消費」が、コロナ禍で再び注目されている。“人を動かす”ことで経済活性化をねらったGoToキャンペーンは裏目に出た今、デジタルの力で飲食・観光・生産者・クリエイターを支えようとする試みに期待したい。

■苦境の人々を応援する消費

 コロナ禍のため大きな経済的損失を被っている飲食業界や観光業界、生産者などを支援しようという動きが高まっている。その原動力の一つが「応援消費」だ。また、コロナに限らず、世に出ようと努力する者への共感・支援のリターンは、被輪も広がりつつある。クラウドファンディング「Makuake」は、他の購入型クラファンとは一味違い、いまだ世に出ていないアイデアやプロダクト、サービスなどの「幕開け」を応援する「応援購入」を謳う。支援者からの御礼のメッセージや進捗状況を知らせる報告だ。

■投げ銭システムでアーティストを応援

 また、タマゴ状態のクリエイターを応援する仕組みも話題だ。ライブ配信サービス「SHOWROOM」は、芸能人や一般人のエンタメ動画に、ギフティング(投げ銭)やコメントで応援することができる。もらったギフトは現金化できるし、その数によってルームレベルも上がる。世に出る前の芸人やアーティストへのカジュアルなスポンサード的なシステムだ。

■「応援消費」意向は高い

 リクルートライフスタイルの調べでは、コロナ禍での飲食店への「応援消費」経験者は30.7%、生産者への「応援消費」 経験者は23.3%で、今後の意向者も半数前後存在する。自分のための消費ではなく、困っている、頑張っている他者への「応援消費」は、高度に成熟した消費マインドによって支えられている。

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