酒好きには青天の霹靂だが、毎日の飲酒習慣を持つ人はすでにかなりの少数派だった。世の半数以上は下戸(若年層ほど多数)であり、彼らのノンアル的消費スタイルこそが、次のエコノミーの波をつくっていくらしい。
■お酒を飲める者はマイノリティ
非常事態宣言下でストレスフルになっている酒好きな人には重ねてショッキングなデータだが、厚労省「国民健康・栄養調査(令和元年)」によると、「ほとんど飲まない」「やめた」「飲めない」を合わせた55.1%がいわゆる下戸(ゲコ)者だ。逆に、飲酒習慣(週3日以上・1日1合以上)のある者の割合は、20.5%に過ぎず、酒好きはすでにかなりのマイノリティとなっていることがわかる。
■ノンアル飲料は続伸中
そのような状況を裏付けるように、2019年のノンアルコール飲料市場は、約2243万ケース(対前年比102%)、2020年は約2266万ケース(対前年比101%)と伸長の見込み。また、ノンアル飲料の飲用経験では、半数以上(55.3%)となっており、経験者の14.4%が半年前より「増えた」と回答。特に20-30代では約2割が「増えた」という。
■「ゲコノミスト」がけん引する巨大市場
いま話題の書籍が、『ゲコノミクス 巨大市場を開拓せよ!』(藤野英人著、日経出版)。お酒を飲めない・飲まない・飲みたくない人を「ゲコノミスト」、飲む人を「ノミスト」と名付け、ゲコノミストの意識や消費行動を解明するというユニークな視点だ。
いまや、飲料メーカーや飲食店も下戸を無視できないし、SNSでは“下戸の飲み会”も好評らしい。下戸が創り出す巨大市場に期待が集まっている。
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