オン/オフラインの融合で商う ‘’OMOサービス“の巧妙

リテールテックの進化ぶりは目覚ましく、店頭で見てネットで買う、なんて時代はいつの話? リアル店舗とネット/スマホ世界はシームレスとなり融合しつつある。今後のメタバースでの買い物体験の利便性と刺激性が楽しみでならない。

■オンラインとオフラインの融合

 オンラインとオフラインが融合したOMO(Online Merges with Offline)サービスが話題だ。O2Oやオムニチャネルがオンラインとオフラインの役割とを分けて考え、二つをいかに上手くつなぐかというマーケティング施策であるのに対し、OMOはオンラインとオフラインをつぎめなく融合させ、顧客の利便性や満足度、体験価値を向上させる試みだ。

■中国はOMO先進国 

 たとえば、アリババ集団が運営するスーパー「フーマーフレッシュ(盒馬鮮生)」では、顧客が商品に付いているQRコードをスキャンすればアリペイでオンライン決済でき、その場で配送指定も可能となる。総合健康プラットフォーム「グッドドクター(平安好医生)」は、アプリを介して24時間AIドクターに健康相談ができ、医師の診断も受けられる。アプリから医療機関に診療予約も可能で、オンライン診断書や処方箋の発行もできる。

■コーヒーの事前カスタマイズも

 日本では、コーヒーショップ「TOUCH-AND-GO COFFEE」(サントリー)が知られている。LINEのトーク機能を使って自分好みにカスタマイズしたコーヒーを事前注文・決済し、店舗(ロッカー)で受け取ることができる。コーヒーの味やミルクの種類、甘さなどを選べるだけでなく、オリジナルのラベルも作れる。今後のメタバース拡大も含め、生活者の買い物体験のダイナミズムは急展開していくだろう。

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編集工房《Office K》が提供する、Marketing/Mind/Movementのイマとコレカラを読み解くトレンド・クリップ。時代・社会、市場・商品、暮らしや生活意識の大小潮流をご紹介。