食品ロスが社会問題になっているが、洋服など生活用品の廃棄量も馬鹿にならないという。日本人にはおなじみの“わらしべ長者”にはなれないかもしれないが、不用品の物々交換によって“ココロの長者”は生まれるにちがいない。
■拡大する物々交換市場
日本では“もったいない精神”の元、中古品・リサイクル需要が急伸しているが、米国の国際相互貿易連合(IRTA)によると、物々交換は記録に残らないため全体像を把握しにくいが、個人の物々交換組織や企業間バーター取引などで120億~140億ドル(1.3〜1.5兆円*今回の円安前)相当の市場規模があると推定されている。
■物々交換ショップやイベントも
たとえば、洋服を捨てないで再生する活動を進めている「原宿洋服再生プロジェクト」では、洋服の物々交換イベントを主催している。レアスニーカー専門店「スニセカ」(原宿)では、店内にあるすべての商品が物々交換可能で、不用なスニーカーやアパレルの価値をスタッフが査定し等価値の商品と交換できる。この手の物々交換イベントは百貨店催事スペースなどでも開催されるようになった。
■物々交換ププリ
一方で、物々交換アプリも人気だ。読み終えた本や使わなくなったゲーム機などを出品し合い、互いの出品物を気に入れば受け渡し方法を相談し交換するというもの。お金のやりとりを伴わない点で「ジモティー」などとは異なる。また、交換対象は物品だけでなく語学レッスン、ネイルアートなどのサービスにも広がっているという。米国では、中古品やリサイクル品をうまく活用する「Thrifting(スリフティング=節約)」ライフスタイルが支持され始めている。あらゆる商品が値上げ基調にシフトする中、わが国でも物々交換経済は拡大しそうだ。
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