2-3週間カタチだけ海外語学体験が「なんちゃって留学」と揶揄されてきたが、いまや学生や社会人、ニシアを問わず、短期の海外留学志向が徐々に高まっている。とりあえず長短はさておき、異文化に触れる体験こそが重要ということ。
■海外留学総数は20万人超
官民さまざまな統計を概観すると、いまや日本人の留学生数は学生・社会人を合わせ、実質20万人を超えていると推測される。しかし一方で、留学経験がある大学生は3%にとどまり、若年世代の内向きさもあり、海外留学が物珍しくなってきているのも事実。また、業界団体の調査では、「3か月未満の語学留学」の割合が56%を占めている実態も明らかになった。全体の留学パイは増えているものの、半数以上は短期の語学留学であり、いわゆる「なんちゃって留学」程度である可能性も高いわけだ。
■文科省も海外留学を後押し
「なんちゃって」かは別として、就職活動と留学に関する調査では、企業の採用担当者の6割以上が留学経験者を積極的に採用する意向を示している。文科省も、2020年までに海外留学する学生を倍増させる計画だ。1か月以上の留学を対象に返済不要の奨学金も準備するという。
■シニアも広がる留学体験
また最近では、海外留学を楽しむシニアも増えている。語学学校に加え、趣味や旅行などを組み合わせた多彩なプログラムが登場。団塊世代のリタイア以降の自己研さん志向がますます高まっているという。中には、東京五輪でボランティアを務めたいから、孫と一緒に留学したいから、といったユニークな動機も。海外からの旅行者が押し寄せる現在、彼らとの交流が刺激となって、世界へ飛び立つ老若が増え、貴重な異文化体験や世界への貢献を志向する動きが拡大すれば、新たなビジネスの可能性も増えるだろう。
0コメント