アパレルや家電、住宅などの購入前の“お試し”スタイルが、SMや百貨店の食シーンにまで波及している。売り場の食材を使った料理メニューを提供、気に入った食材はそのまま売り場で購入できるという一石二鳥の仕掛けだ。
■“グローサラント型”SMが登場
GMS店舗などでのイートインスペースはすでにお馴染みだが、成城石井が2017年9月にオープンしたトリエ京王調布店での試みが新しい。同店は、“グローサラント型”(グロサリー×レストラン)がコンセプト。レストランレベルの食事を店内で提供する米国発の新業態だ。店内の飲食スペース「SEIJO ISHII STYLE DELI&CAFE」では、ほぼ100%、成城石井で仕入れた食材を使ったメニューを提供する。SMの調達力を活用して、低価格かつ旬の食材を即日仕入れられる強みを活かせる。さらに、気に入った食材があれば、そのまま売り場で購入できるという一石二鳥のメリットもある。同様の動きは、イオン、ヤオコー、オーケーストアなどでも見られ、相次いで“庶民版”グローサラント型店舗の展開を始めている。
■お歳暮を贈る前にお試し味わい
百貨店でのお歳暮シーンでも、このような“お試し”的サービスが登場。
三越伊勢丹は、お歳暮を実際に味わうことができるカフェ「E-ZEY CAFE」を2017年10~11月の期間限定で新宿サザンテラス内にオープン。店内では三越伊勢丹のギフトブランド「E-ZEY JAPAN」のおすすめ商品などを使用したメニューが楽しめる。贈る前に自身で味わうことで先様の好みとのミスマッチを防ぐことができるというわけだ。
■“お試し”のエンタメ化
“購入前のお試し”訴求には、自店舗での食材・食品の拡販という現実的メリットのほか、お試しする行為自体を楽しむ、自宅で試したくなるメニューの食材がその場で手に入る、という生活者にとっての“二重の楽しみ”を提供できる場にバージョンアップする効果がある
0コメント