現代の最新巨大システムの恩恵からこぼれ落ちてしまう生活者をキャッチアップする移動式ビジネスが健闘中だ。ニッチではあるが、そこには本来的なサービスの価値や物流の高度化の未来を示唆する貴重な学びが含まれている。
■ニーズのある場所へ「移動式サービス」
“移動式〇〇”といえば、買い物難民を救う「移動スーパー」「移動コンビニ」くらいしか思い浮かばないのが普通。いまや、消費者の元へ商品やサービスを届ける「移動式」ビジネスは多士済々だ。 たとえば、本屋。現在、全国で1日に1軒のぺースで新刊書店がなくなり、5分の1の自治体には書店が1軒もないという。オンライン古書店「バリューブックス」は、本と出会う機会をつくりたいと、移動式本屋「ブックバス」をスタートさせた。また、信用金庫など地域金融機関で、店舗の空白地域などを巡回する移動ATM車の導入が広がっている。このほかにも、「移動式ドッグサロン」や「移動式学習塾」なども話題だ。
■移動式オフィスで、いつでもどこでも仕事?
日産は、「e-NV200」をベースとした「走るオフィス」を発表。未来のデスクワークを考え、世界中のどこででも仕事ができる環境を思い描き、PC、デスク、ワイヤレス充電器、オーディオ、冷蔵庫、コーヒーメーカーなど、仕事に必要な設備を揃えた。
■先端物流シーンも消費者や地域と密着
ヤマト運輸とDeNAは、自動運転車を使った宅配サービス「ロボネコヤマト」の実証実験を神奈川県藤沢市で始めた。車内に保管ボックスを設置した電気自動車を活用。利用者がスマホを通じ、荷物を受け取る場所と時間帯を指定できる「ロボネコデリバリー」と、地元商店の商品をネット上で一括購入して運んでもらう「ロボネコストア」の2種のサービスを提供。 ITやIoTを活用した最新先端システムの利便性はきわめて高いが、そこからこぼれ落ちてしまうマイノリティや社会的弱者を救う“血の通ったサービス”こそが、誰にでも使いやすい「ユニバーサル・サービス」につながる真髄を指し示しているに違いない。。
https://greenz.jp/2017/07/27/valuebooks_bus/
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