「OK!Google」「アレクサ!」とスピーカーに呼びかけ全てを代行させる生活がほんとうに豊かなのか?と自問自答する時代。一方で、リアルなヒトの知恵や温かみに支えられたビジネスも存在する。両者のアシアワセな融合を願うばかりだ。
■「OK!おばあちゃん」の人間力
GoogleアシスタントやAmazon echoなどスマートスピーカーが次第に生活の真ん中に鎮座しそうな時代だが、生身の“人間力”を生かしたビジネスも元気だ。「OKおばあちゃん」サービスは、知恵も経験も積んだおばあちゃんたちがさまざまな日常の困りごとを解消してくれる便利屋的サービスだ。たとえば、天ぷらの揚げ方や社交ダンスの相手、家族会への同席や育児サポート、独身男性の朝食づくりなど多彩だ。首都圏だけでも約150人が登録されており、前職が人事部部長や服飾の先生、銀座のママといった経歴のおばあちゃんも在籍しているという。
■“読み聞かせ”で児童書も活況
出版の世界でも“人間力”“家族力”が後押しして伸びているジャンルがある。紙の出版物の売り上げは13年連続で減少が続いているが、「児童書」だけは伸長している。少子化にもかかわらず児童書が伸びている最大の要因は、絵本の“読み聞かせ”需要だという。子育て中のアナログな読み聞かせが再評価されていることに加え、祖父母世代の孫消費が大きい。50代以上の児童書購入者率は5年間で倍増している。親が絵本を通じて子どもと向き合い、家族としてコミュニケートすることで、子どもの”人間力“も育まれる。
■ぬくもりのある“家族型“ロボット
このほどリリーズされた AIロボット「LOVOT(ラボット)」も“家族型”を謳う。全身にタッチセンサーが搭載されており、触れられたり抱きしめられたりすると反応する。なにより、内部CPUの熱放射を利用しているため手で触れると温かく、まるで体温があるかのよう。最先端ロボットですら、ちょっとした表情変化やしぐさ、疑似体温といった“人間力”を模倣し共感性を担保する。リアルな人間の価値を置き去りにしてはいけない。
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