機械翻訳の劇的進化で ‘’英会話学習いらず“の時代へ

新・学習要領の改訂や2020年を前に、老若の英語学習熱は高まるばかりだ。AI英会話システムや、より実践的な英会話をマスターできるサービスなど多士済々だが、同時翻訳システムの進化で、まもなく英会話のお勉強は不要に?

■目前に迫る英語教育改革

 政府による「グローバル化に対応した英語教育改革」の実施により、今後、段階的に、小・中・高の英語教育や大学入試がトータルで変わっていく予定だ。小学校では、2020年度の新・学習指導要領施行によって、英語が正式教科となるし、現行の大学入試センター試験に代わって「話す」技能が新たに加わる。すでに、小学生向け英会話教室が活況となっており、AIを活用した学習塾向けの英会話教材も好評だ。

■英会話の実践スキルを磨く

 ビジネスパーソンにあっても事情は同様、英語スキル磨きは必須となっている。最近では、国内にいながら海外留学気分が味わえる英会話スクール「55段階英語村」が話題。学習拠点には、レストランからホテル、ゴルフ場まで「本場さながら」のセットがしつらえてある。机とイスが並ぶ通常の教室はなく、生徒は講師とのマンツーマンで、ファストフード店での注文から会社の面接までリアルな雰囲気の中で英会話が学べるという。

■もう英会話学習は必要ない?

 一方、最新の翻訳技術研究は日進月歩。AIとコンピュータを使い、会話の音声をすぐに訳す機械翻訳に期待が集まっている。情報通信研究機構は、2020年までに翻訳自体の精度を上げ、2025年の同時通訳実用化を目指している。さらに2030年には社会で広く使われるサービスにする計画だ。マイクロソフト元社長・成毛眞氏の著書『日本人の9割に英語はいらない』の帯には、「英語が出来てもバカはバカ!」とあった。我々がいま学ぶべきは、小手先の外国語ではなく、自国の歴史・文化・教養なのかもしれない。

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編集工房《Office K》が提供する、Marketing/Mind/Movementのイマとコレカラを読み解くトレンド・クリップ。時代・社会、市場・商品、暮らしや生活意識の大小潮流をご紹介。