AIスピーカーは魅力的だが使いこなすのは簡単ではない。今年の新入社員にも、細かな初期設定や過保護な育成、もろもろ環境整備が必要らしい。しかし、本人たちは「ハナから辞めるつもりで入社」。働き方改革では解決しないミスマッチだ。
■呼びかけ次第の「AIスピーカータイプ」
産労総合研究所が発表した「2019年度(平成31年度)新入社員のタイプ」は、「呼びかけ次第のAIスピーカータイプ」だそう。浸透しつつあるAIスピーカーのように、潜在的に多機能だが、その機能を十分に発揮させるためには細かい設定や丁寧な育成、別の補助装置(環境整備)が必要といった特徴を持っているという。
■手取り足取りお役立ち情報誌も
そのような新入社員向けに、森永製菓の「inゼリー」と小学館「小学一年生」のコラボ企画で、デジタル雑誌『社会人一年生 入社おめでとう号』が発刊された。主なコンテンツは、初出社のドキドキを体験できる「出社めいろ」、社会人マナーを優しく解説した「ぜんもんせいかい できるかな? 社会人あるあるクイズ」、社会人用語や敬語の使い方を勉強できる「社会のことを楽しくべんきょう! スーパー しんじん ドリル」などお役立ち情報満載。
■4人に1人は「辞めるつもりで入社」
しかし一方で、新入社員の意識はかなりドライだ。「@人事」が、2019年3月卒業予定の大学生を対象に実施した調査では、入社前の時点で「具体的な退職時期」を想定している学生は24.4%。その理由として「キャリアアップしたいから(23.6%)」「理想とのギャップ(15.7%)」などが挙げられている。ちなみに、「辞めることを検討していない」のは60.8%。要するに、内定者の4人に1人は、辞めることを前提で就職するわけで、これは3年以内離職率約3割と合致する。人材確保のために初期投資を惜しまない企業サイドにとっては、“泣きっ面に蜂”な状況だが、将来展望の描きにくい時代にあっては、転職を厭わない軽いフットワークも自己防衛策のひとつなのかもしれない。
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