シニアではなく大人 ‘’ポジティブ・アダルト“の台頭

「アクティブシニア」が現在70代以上“なのに元気な”シニアを指すワードだとすると、昭和30年代生まれが65歳に達しようとしていく今後、いわゆるシニアは、すべてに「ポジティブ」で、「大人な」価値観を持った人々のことだ。

■「大人の女性誌」が絶好調!

 雑誌不況と言われる中、勢いづいているのがシニア向け女性誌だ。月刊定期購読誌『ハルメク』(旧『いきいき』は、ターゲットは50歳以上の女性で、現在30万部とライバル誌の1.5倍近い人気だ。社内シンクタンク「生きかた上手研究所」を設置・検討、同誌を「シニア誌」ではなく「大人の女性誌」と定義した。ファッションや髪形、美容など、女性誌の定番テーマを従来よりも積極的に特集に取り入れていくようにしたという。

■60代の7割がスマホユーザー

 NTTドコモによると、いまやスマホ利用者は60代の7割、70代の4割に達してるという。同社が先駆けた「らくらくホン」シリーズの販売台数は累計3000万台以上となった。ユーザビリティの向上が功を奏し、これまで敬遠されがちだったスマホだが、最近では折り畳みタイプより、スマホタイプを選ぶシニアも多いという。それだけ、情報摂取やコミュニケーションに貪欲なシニアが増えてきているということだ。

■60代のSNSアイドルユニットも全開!

 パフォーマンスの世界でも新潮流が生まれている。総勢31人、平均年齢62歳のパフォーマー集団「シニアモンスターズ」は、“天国に一番近いアイドル”として活動しているユニットも話題だ。各メンバーは、YouTubeやInstagram、TikTokなどのSNSに自分のパフォーマンスを投稿、イベント「シニアモンスターズ祭」も定期的に開催されている。健康・美容・ファッション・情報・自己表現などあらゆる生活シーンで、さらには人生そのものにポジティブな姿勢を見せる大人シニアにコミットしていくビジネスが今後も拡大していきそうだ。


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編集工房《Office K》が提供する、Marketing/Mind/Movementのイマとコレカラを読み解くトレンド・クリップ。時代・社会、市場・商品、暮らしや生活意識の大小潮流をご紹介。