リモートワーク定着がもたらす ‘’職住融合“の新・生活様式

リモートワークの合理性と快適性に気づいてしまった会社員や企業。新しいワーク環境を支える技術やサービスも続々登場。「職住融合」時代の本格化は、消費スタイルや家族のあり方を変え、商品開発や流通にも大きな変革を強いるだろう。

■コロナ後もテレワーク定着の兆し

 パーソル総合研究所調査によると、正社員のテレワーク実施率は、緊急事態宣言解除後の6月1日時点で全国23.0%、京都41.1%と高止まりしている。また、テレワーク継続希望率は、69.4%と4月時点での53.2%から大きく上昇。特に、若年層や女性の継続希望率が高い。このようなニーズを受け、カルビーは、テレワークを無期限で延長すると発表。業務に支障がない限りは単身赴任をやめるほか、通勤定期代も廃止、出社時のみに実費精算する。

■「SaaS」ビジネスが急浮上

 ワーク環境変化の中で注目されているのが「SaaS(サース=Software as a Service)」。テレワークを下支えするビデオ会議ソフトや顧客管理、人事労務、会計、電子契約に至るまで、ビジネスのあらゆる領域でさまざまなサービスが台頭しつつある。また、自宅オフィス環境を整えるためのPCや周辺機器、ゲームなどを含めたソフトウエア市場も活況だ。

■テレワーク・ストレス解消をテーマに

 さらに、テレワークの影響は衣食住あらゆる領域に変化を及ぼしている。紳士服チェーン「洋服の青山」は、「テレワーク等ストレス軽減シャツ&インナー」を発売。生地にはミズノが手がける接触涼感素材を使用、汗や体熱を素早く逃がして、清涼感のある状態を保つ効果がある。コロナ禍は当分の間続くと予想され、テレワークもますます浸透、「職住融合」の新しい生活様式を生むだろう。ビジネス関連市場だけでなく、流通チャネルや店舗、家族関・友人関係にまで大きな変化を強いていくに違いない。


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編集工房《Office K》が提供する、Marketing/Mind/Movementのイマとコレカラを読み解くトレンド・クリップ。時代・社会、市場・商品、暮らしや生活意識の大小潮流をご紹介。