相手が見えないのなら ‘’可視化すればいい“という前向き

雨雲レーダーアプリは、もっともわかりやすい可視化サービスだ。いつ・どこで・どれくらいの雨が来るかが手に取るようにわかる。同様に、ウイルスや犯罪者など、見えない相手であっても、可視化することで正しい指針を指し示すことができる。

■街中施設の混雑度を“見える化”

 感染者との濃厚接触を知らせる感染確認アプリ「COCOA」のダウンロード数は1400万人とやや低迷している中、街中の混雑具合を可視化するアプリも登場している。ポータルサイト「VACAN(バカン)」は、カフェやレストランなどのリアルタイムの混雑情報を確認できる。ネットの地図上で、飲食店の場所やリアルタイムの空き・混雑情報、コロナ対策状況が一目瞭然。利用者は無駄な待ち時間を減らせるし、予約も必要なくなる。

■テレワーク会話を文字起こし

 定着しつつあるテレワーク現場でも可視化の動きが進む。レブコム社が手掛けるのは、「MiiTel」というAI搭載のクラウドIP電話。パソコンのブラウザー上からワンクリックで発信でき、会話の内容をAIがリアルタイムで解析、自動で全文文字起こしされる。テキストを一部抜粋して共有したり、コメントを残したりすることもできる。もちろん、ZOOMなどビデオ通話にも対応しており、文字起こし精度は高いという。

■公園トイレは使用中“見えない化”

 少し意味合いは異なるが、公衆トイレの可視化・不可視化も興味深い。渋谷区の代々木深町小公園トイレは、正面・後ろ・横、どの方向から見ても中が透けて見える代物。しかし、鍵をかけると壁は一瞬で不透明になる。この仕掛けによって、「中が綺麗か」、「中に誰も隠れていないか」という心配が解消され、犯罪防止にも役立つというわけだ。

 ウイルス、ゲリラ豪雨、犯罪者……見えない敵であっても、しっかりと可視化することで不便・不安を解消し、正しい判断を下すことができる。

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