瞬間を切り取る図形アート ‘’ピクトグラマー“が増殖中

非常口やトイレでしか見かけることもなかったピクトグラムが大ブレイク! 日常生活の断面をアート的に切り取ることで多くの共感を集めることができる。世界が認める新たなクールジャパンの新アイテムに加わるだろう。

■東京五輪の最大のレジェンドに

 今回の東京五輪で最も強烈な印象をあたえたのは開会式での「ピクトグラム50個の連続パフォーマンス」と言っても過言ではないだろう。世界的なパントマイムアーティスト「が~まるちょば」には大きな拍手だ。以降、SNSやWeb上では、さまざまなテーマでのピクトグラムが披露されている。育児中の場面を7種類の競技に見立てて表現している「ママリンピック(パパリンピック)2020競技種目一覧」。金沢工業大学は、オンライン説明会の告知に12学科の特徴をオレンジや緑など明るい色調のピクトグラムで表現した。

■前回の東京五輪が発祥

 ピクトグラムは、前回東京五輪開催時に競技の種目やトイレなど施設案内を内外の観客にわかりやすく伝えるために作られた。その有用性が認められ、公共交通機関や公共施設をはじめ、多くの場所で採用されるように。非常口ピクトグラムは、海外でも広く使われているという。

■高い共感を生むデザイン

 ヒト型のピクトグラムは単純で抽象度の高い図形となっている。一見、無個性に見えるデザインだが、その人物や象徴する動作は、さまざまな表情や感情を思い起こさせる余白を持っており、見た人が自分を重ね合わせやすく、共感を集めやすいすいのかもしれない。アニメや日本食などと並ぶクールジャパンの新ジャンルとして、世界に拡大していくに違いない。

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