半径5km圏を耕す “マイクロモビリティ“の黎明

環境問題への対応、MaaSの推進、シェアリング経済の拡大、クルマ離れなどなど、現在の社会・経済課題に対する一つの回答が「マイクロモビリティ」ではないか。交通マナーの点は置くとして、今後の地域経済や暮らしへの影響には注目したい。

■急拡大する国内外市場

 電動キックボードやシェアサイクルなどの「マイクロモビリティサービス」は、大都市圏を中心に若い層を中心に人気が高まり、新たな移動手段の選択肢として受け入れられつつある。北米市場では2021年の1年間でマイクロモビリティの利用回数は実に1億2800万回、車両数は23万2000台に達している。国内市場も、2025年には電動キックボードのシェアリング市場だけでも約1兆円に上るという試算もあるほど拡大基調にある。

■国内事業者も多彩に

 国内事業者を束ねるマイクロモビリティ推進協議会には、電動キックボード事業者など12社が加盟、順次拡大する見込みだ。シェアサイクルサービスも駅や流通店舗、団地内などに多数設置され、その利用率も高い。スタートアップだけでなく、自動車メーカーも参入する。ホンダは、1人乗りの電動三輪マイクロモビリティ「Striemo」を開発、2022年中に日本国内で、2023年には欧州で発売を予定している。

■地域経済の活性化つながる

 世界最大の電動キックボード企業Bird社は、世界300以上の都市で展開、乗車実績は9500万回を突破する。同社のサービスを取り入れた米国のある町では、人の動きが従来よりも活発になることで経済効果にプラスの影響を生んでいるというデータもある。地域における消費生活のラストワンマイルをつなぐマイクロモビリティの役割は大きく、今後の地域経済の活性化への貢献が注目される。

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