手間省きで存分なお別れを ‘’葬テク市場“の賑わい

次から次へと決めること、やらねばならないことが押し寄せ、故人とのお別れもままならない葬儀の現場。ご遺族の正直なインサイトは「面倒くさい」だ。最新ITの導入によって、葬儀社もご遺族も会葬者もWIN-WINとなるサービスが続々。

■スマホで葬儀対応できる時代

 多くの場合は突然に、しかも緊急に対応が迫られる家族・親族・友人の葬儀手配。最近では、ITやスマホサービスによって、簡単に処理できるようになってきた。「tsunagoo(つなぐ)」(アスカネット)は、SNSで訃報配信や弔電・供物・供花の購入ができる。葬儀会社に導入する「BtoBtoC」サービスだ。葬儀会社の情報入力で自動で訃報用のWebページを作成、受け取り側が弔電の送信や供物・供花の注文などができる専用フォームも用意されている。

■ご遺体移動から焼香台まで

 さらに、故人を病院などから葬儀場や自宅へ移動させるための「葬マップ」(アーバンフューネス社)も登場。病院などから最も近い場所にいる寝台車を手配でき、同時に、地図上に斎場や安置施設、火葬場なども表示され、現在地からの距離・時間や移動費用も算出できる。葬儀シーンでも最新のAIが活躍する。「飛鳥焼香台」(アスカネット)は、焼香台に3枚のAIプレートをはめ込み、各画面から故人の遺影や映像が映し出されるというもの。このAIプレートの導入によって、故人を偲ぶ会葬者の焼香時間が延びたという。

■葬儀市場は今後も間違いなく成長

 経産省の調べによると、葬儀業の市場規模は平成27年に約1兆7800億円と見込まれ,死亡者数も平成26年に約127万名。いずれも漸増傾向にあり、過去10年間で25%増となっている。

 この成長市場にITがコミットすれば、まさに“鬼に金棒“。想定外に手間がかかり、故人との別れを哀しめない現状葬儀の有力なソリューションとなるだろう。

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編集工房《Office K》が提供する、Marketing/Mind/Movementのイマとコレカラを読み解くトレンド・クリップ。時代・社会、市場・商品、暮らしや生活意識の大小潮流をご紹介。