スポーツWCや新元号、京五輪などが続く2018年~2020年。そろそろ銀行も企業も生活者も、世の中にお金を回すことを始めなければならない時期。しかし、キリギリスな国民性なのか、使い道がないのか、個人貯蓄は増ええるばかりだ。
■個人預金高は1000兆円超
メガバンクの普通預金の金利は0.001%。100万円預けてもも利子は年10円。しかし、銀行や信金などの預金残高は2017年3月末時点で、過去最高の1053兆円となった。中高年が退職金や年金を預け続け、ファミリー層も将来に備える貯蓄志向が強いためだ。預金は銀行の貸し出しの原資だが、企業の投資意欲はまだまだ低く、積みあがるばかりの「死に金」になっている状況だ 。
■止まらない貯蓄志向
最近のボーナスに関する調査結果では、ボーナスの使い道について、「貯金」が圧倒的にトップ。「買い物」や「生活費」に30ポイント以上の差をつけた。さらに、博報堂生活総研の調査では、「お小遣いをもらっている」子どもたちにその使い道を聞いたところ、1位が「貯蓄」。1997年から急激にスコアが伸び、ついに50%を超えた。一方で「マンガ」「CD・DVD・ブルーレイ」などを買うとの回答は減少している。
■自動貯金アプリでコツコツためる
さらに、個人の貯蓄性向を後押しする便利アプリも登場。
マネーフォワード社「Shiratama(しらたま)」は、“しらずに、たまる」自動貯金アプリだ。貯金方法は、毎日決まった額を積み立てるか、日々の支払いで生じたおつりをためるか。おつり貯金の場合は100円、500円、1000円からカード決済額を差し引いた端数をためる。例えば、460円の商品を買うと、500円払ったと見なして40円が自動的に貯金される。 市中にお金が循環し、軽いインフレ状況にならないと景気は上昇しないといわれている。金利政策が変わり、企業の内部留保が投資や賃金にシフトするには今少し時間がかかるようだ。生活者は、景気回復の遅れを敏感に感じ取り、身を守るための「貯金ファースト」を支持しているように思われる。
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