「何が出てくるかわからない」からこそ楽しい。ガチャポンの世界は大人を巻き込み拡大中。さらには、「とくに欲しいものはない」=「とくに食べたいメニューはないが腹は減った」という人々の救世主になっているらしい。でも、これはアリかも。
■ガチャポン市場規模は277億円
硬貨を入れてダイヤルをガチャガチャ回し、アクリル玉の中のアイテムをゲットする「ガチャポン」は誰もが一度はトライしたことがあるだろう。1977年の登場以来、83年のキン肉マン;フィギュア(キンケシ)や2012年の「コップのフチ子」などで一大ブームとなった。アニメファンだけでなく一般層へも拡大、国内市場規模は277億円(16年度)へ拡大した。今や単なる子どものおもちゃではなく、精巧なアートとして大人や外国人にも大人気だ。東京駅に、初のオフィシャルショップ「TOKYO GASHAPON STREET」したほか、秋葉原などには大量設置店が続々登場している。
■ガチャで食事メニューを決める
ガチャポンの特長は、欲しいキャラやカテゴリは選べるものの、ゲットできるアイテムはガチャ任せという点。この「最後の選択ステージはお任せ」、何が出るかを楽しみたいという欲求は、食シーンに波及。舞鶴若狭自動車道・西紀SA(兵庫県)に登場したのは「ガチャ飯」券売機。1回500円で、何が食べられるかはガチャ運次第。ガチャを回して出た食券でメニューが決まる。最低でも600円相当のメニューが当たるため、お客側は絶対に損をしないシステムという。「何を食べたいか決まっていない」お客様が結構多いことに気づいたことがきっかけらしい。
■「とくに欲しいものがない」悩みを解決?
博報堂生活総研の調査などでは、「とくに欲しいものがない」生活者は、どの世代でも3-4割存在する。ランチや居酒屋などのカジュアルな食シーンでは、「ガチャ任せ」のメニュー選びでも特に不満はないだろう。この動きがファッションや家具、クルマなどにまで拡大していくか否かをしっかり見守っていきたい。
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