消費のメインストリームは「アクティブシニア」だが、シニアビジネスの可能性はそこだけではない。余生を静かに送るリアルなシニア、ハードなスポーツや頑強な肉体改造に挑むエクストリームなシニア。多様な価値観とスタイルがあるということだ。。
■シニアしか登場しないテレビドラマ
メディアでは、ティーンやアラサー女性をねらうテレビドラマに果敢に挑むシニア・ドラマが注目されている。テレビ朝日が2017年4月からスタートさせたドラマ『やすらぎの郷』がブレイク中。視聴率は5~7%前後と昼間の時間帯としては好調で、毎週のように雑誌が話題にしている。昭和の時代に俳優や歌手、脚本家などテレビの世界に貢献した人間だけが無料で入居できる老人ホームが舞台。家族や財産、恋、死の恐怖などをテーマにしている。アクティブ・シニアだけでない、リアルなシニアの実像を描くことで、プレ・シニア世代をも巻き込むヒットとなった。
■婚活や趣味活動も加速
もちろん、一方でシニア世代のアクティブさはさらに加速中だ。結婚相談所では、最近、シニア世代の利用が急増している。熟年離婚が増えたこと、晩婚化が進み50代以上のシングルが増えたことなどが背景にある。また、若手の独立支援を目的とした「スピード修業」にもシニアが押しかけている。短期間(5日間程度)でパン屋が開業できるコースのほか、ラーメン屋や左官などの短期修行も続々登場しているという。
■エクストリーム・シニアの登場
最近では、アクティブどころではない「エクストリームなシニア」も話題だ。アスリートの間でも人気が高まっているトライアスロン競技にも50代以上の参加者が増えている。その強烈な達成感に魅了されるとか。また、スパルタンなトレーニングで知られるライザップでも「シニアコース」が人気だ。そもそも、50代以上のマーケットのほうが圧倒的に大きいと分析、シニア世代にとって、健康や身体づくりが最大の自己投資と位置付けている。これからのシニアビジネスを考える上では、「アクティブシニア」とひと括りにするのではなく、一方で、悩みや課題を持つリアルな世代像を押さえつつ、一方では、よりアクティブなライフスタイルを提案していく両面作戦が必要とされている。
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