街中の店舗では電子マネー導入に忙しいが、このような先端技術による省人化・効率化ベクトルと、温かみや臨機応変さを重視した“人によるサービス”を売りにするベクトルとが競い合っているのが現状。どちらが優位となるのか興味深い。
■コンビニ無人化への実証実験
コンビニ各社は、慢性化する人手不足解決に向けて、店舗オペレーションの無人化や効率化への取り組みを加速させている。ローソンは、深夜時間帯(0時-5時)の無人営業の実験を開始する。顧客は専用アプリをダウンロードし、アプリ上のQRコードで入店。商品タグによるセルフレジで会計を済ませる。ファミリーマートも、画像処理による商品読み込みやディープラーニングを応用した顔認証技術で無人化営業を試みる。
■人の手を掛けるミニスーパー的新業態
これら無人化方向とは一味違い、セブン&アイが打ち出すのは「コンフォートマート」という都市型ショップ。「コンビニでもない、スーパーでもない新しいフードショップ」を謳い、セルフレジだが、店内調理の総菜量り売りなどを行うという。いわば、マシン(無人)化とヒューマン(有人)化のバランス型ともいえる。最近、急伸している都心型ミニスーパーへの対抗策でもあるようだ。
■銀行店舗も二極化?
このような無人/有人サービスの攻めぎ合いは、銀行業にも及んでいる。三菱UFJ銀行は、次世代コンセプト店舗「MUFG NEXT」を公開。税金や公共料金の支払いに対応する高機能端末のほか、テレビ電話を介してローン・相続などの相談ができる。一方で、三井住友銀行では、行員と個人客とのコミュニケーションを重視する。行員と個人客が隣り合ってコンサルできる「寄り添いブース」が象徴的。事務作業の効率化で浮いた人員を、お客様との対話にあてる方向だ。デジタル技術による無人化と、人を介したサービスとの棲み分け・バランス感覚が求められている。
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