5G(第5世代移動通信システム)には、高速大容量、低遅延、多接続という特徴がある。そこでは、リアルとバーチャルの境目は薄れる。その先の6Gとなると、4G・Wi-Fi世界に住む私たちには想像もつかない社会や生活空間となるだろう。
■2020年は5G元年
携帯キャリア各社が5Gサービスを提供し始めているが、5Gの恩恵は通信などビジネス領域だけでなく、街や施設、生活全般に大きな変化をもたらしそうだ。2020年に始動した「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」は、KDDIや渋谷区観光協会が提唱する「au 5Gで渋谷の街を創造文化都市へ」という理念に賛同した東急、パルコなど32企業が参画。渋谷区全体をアートや音楽、ファッションといった「5Gエンタメ」の街として盛り上げていこうとするもの。すでに、5G端末による渋谷バーチャル体験や5Gによる遠隔ライブコンサートなどの試みが多数スタートしている。
■コミケもVRで双方向バーチャル
コロナ禍で中止となったコミケが5Gバーチャルで開催された。「ComicVket 0(コミックブイケット・ゼロ)」は、バーチャル空間で同人誌の電子データを販売するイベント。エントランスをくぐるとVR空間が広がり、出品者のブースが並ぶ。バーチャルな空間内を自由に移動し、アバターとなった出品者と来場客がチャットなどでコミュニケーションを楽しむことができる。
■エンタメ施設も5Gでバーチャル体験
同じく、コロナ禍でオープンが延期となっている「DMMかりゆし水族館」は、5Gを活用した最新の映像表現と空間演出が売りの新しいカタチのエンタメ水族館だ。展示は通常の水槽を用いたものに加え、最新の映像表現を駆使したリアルな海洋体験や自然の美しさを表現したダイナミックなビジュアルとなっているという。
高速大容量の5G世界が現実のものとなり、2030年には6Gがやってくるだろう。そこでは、目の前の景色がリアルなのかバーチャルなのかも判然としない世界だ。コミュニケーションやエンタメの姿など想像もつかない。
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